昨年10月の衆院選後初の政令市議選となった北九州市議選が26日、投開票された。与野党各党は夏の参院選に向けた「前哨戦」と位置付け、幹部を積極的に投入するなど党勢拡大に注力。結果は国民民主党と公明党が全員当選を果たす一方、他党は前回から議席を減らし、明暗が分かれた。
同市議選で争われたのは57議席。前回擁立しなかった国民民主は全2候補をそれぞれの選挙区でトップ当選させた。公明は13議席を維持。他党の獲得議席は自民党15、共産党7、立憲民主党6、日本維新の会2で、それぞれ1議席ずつ減らした。
国民民主の榛葉賀津也幹事長は27日、国会内で記者団に「政策を実現してほしいという期待の一票だ」と語った。同党は所得税の課税最低ライン「年収103万円の壁」引き上げを与党に迫っていることが支持されたとみており、交渉がヤマ場を迎える2月中旬に向け、攻勢を強める構えだ。
自民は小渕優子組織運動本部長らが現地入りしたものの、3候補落選の結果に終わった。自民幹部は「国民民主の訴えが効いた」と警戒。中堅議員も「国民民主に風が吹いている」と身構える。
立民も野田佳彦代表が公認候補全9人の応援に立つなど異例の態勢を取ったが、自民と同様に3人が議席に届かなかった。野田氏は記者団に「よく分析したい」と言葉少なに語り、関係者は「ピークは過ぎた」と危機感を隠さなかった。
前原誠司共同代表らを投入した維新も衝撃を受けている。岩谷良平幹事長は党会合で「厳しい結果だった」と振り返った。
公明幹部は「何とか踏みとどまった」と胸をなで下ろし、共産の小池晃書記局長は「参院選に向けて立て直したい」と語った。
[時事通信社]