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今春闘、成長への分岐点=経団連の大橋徹二経労委員長インタビュー―25年春闘

時事通信 2025年1月27日 20時13分

 ―25年春闘の意義は。

 賃金引き上げの勢いが定着する年であってほしい。デフレから脱却し、経済を成長させるため人への投資や設備投資をしていく、そのための分岐点だ。実りある交渉にしたい。

 ―どういう状況になれば賃上げ定着か。

 賃金というのは単年度、1年とか2年で見るのではなく、3年とか4年、トレンドを見るのが大事だ。

 ―連合と経団連の主張は近いが。

 連合と「定着」という言葉で一致し、かなり認識は合っている。全体を底上げするため、働く人の7割を占める中小企業や雇用者全体の4割の有期雇用の人たちに、どう賃上げをするかという課題認識もほとんど同じだ。賃上げ原資を確保するため、価格転嫁が大事だということも一致した。

 ―中小の賃上げへ経団連に何ができるか。

 (大企業が)適正価格を受け入れるのは非常に大事だ。価格転嫁を認める社会的ムードづくりのため、会員企業がまず「隗(かい)より始めよ」で自分でやり、呼び掛けることだ。自社の賃上げも率先垂範して大企業がやらないといけない。

 ―連合が中小について「6%以上、総額1万8000円以上」の賃上げを要求しているが。

 去年の中小の賃上げ実績は約1万円だ。そういう実態の中で1万8000円は、可能なところもあるだろうが、厳しい企業は「そんなこと言ったって」となる。大企業と中小の格差が広がったからという理屈は分かるが、結構ハードルは高い。 

[時事通信社]

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