ロシアのプーチン大統領は27日、ポーランドに設置されたアウシュビッツ強制収容所の解放から80年に当たり声明を出し、ナチス・ドイツはロシア人も絶滅させようとしたと主張した。被害に遭ったのは「ユダヤ人、ロシア人、少数民族ロマなど数百万人」とし、第2次大戦の対独戦勝の偉大さは「世界史に永遠に残る」と強調した。
独ソ戦当時、強制収容所に入れられた捕虜や「2700万人」とされるソ連側の死者を念頭に置いているとみられる。プーチン氏はウクライナのゼレンスキー政権を「ナチス」と一方的に決め付けて侵攻を始めて以降、ユダヤ人大虐殺(ホロコースト)の犠牲者の大部分は「ソ連人」だという説を展開。自国民の被害者意識をたきつけ、軍事作戦の継続を訴える狙いもありそうだ。
[時事通信社]