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「信頼と成果の好循環作る」=第100代警視総監、迫田裕治氏

時事通信 2025年1月29日 18時26分

 警視庁の第100代警視総監に28日付で就任した迫田裕治総監(56)は「警察活動は都民国民の信頼があって初めて有効に機能する」と語る。信頼を基に成果を挙げて安全につなげ、さらに信頼を高めるという「好循環を作りたい」と意気込む。

 「安全、治安の確保という誰もが求める価値を守る仕事」に魅力を感じ、警察官僚を志した。以来、長く担当した外事・公安部門の仕事は、秘匿で長期戦を強いられるものも多い。「時間的スケールが大きい。30~40年というスパンですら時に一瞬と感じさせるほど」という。

 愛媛県警公安課長だった1995年、地下鉄サリン事件が発生した。新たなテロがいつ起こるか分からない状況が数カ月間続く中、オウム真理教対策に追われた。「目の前の待ったなしの諸案件に忙殺され無我夢中だった」。県出身の信者の両親から捜索願が出されるなどしており、右翼や極左に対峙(たいじ)する公安警察の手法を柔軟に組み合わせたり活用したりして、教団関連の逃亡犯追跡、情報収集・分析、事件捜査に明け暮れた。

 当時の経験は、その後の仕事の進め方にも影響を与えた。「既成概念にとらわれないで済むようになった」と語る。

 長崎県警本部長時代にローマ教皇来日の警備、警察庁警備局長時代に能登半島地震の災害警備活動を指揮するなどした。指揮官の心構えとして「悲観的に準備し、楽観的に対処せよ」という警察庁OBの言葉を胸に刻んでいるという。

 趣味は音楽鑑賞と街歩き。内閣官房沖縄危機管理官として現地赴任時には空手を習った。健康法は「腹八分目」。大阪府河内長野市出身。 

[時事通信社]

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