広島県福山市の住宅で2001年、主婦が刺殺された事件で、殺人などの罪に問われた無職竹森幸三被告(70)の裁判員裁判の初公判が30日、広島地裁(後藤有己裁判長)であり、竹森被告は「記憶にないから分かりません」と述べた。弁護側は無罪を主張した。
現場で発見された血痕のDNA型と、竹森被告のDNA型が同一人物のものと言えるかが主な争点。検察側は冒頭陳述で、現場に残っていた足跡と同じようなサイズの靴が同被告の家から複数発見されたなどと述べた。
弁護側は、DNA型の鑑定結果が一部一致しておらず、現場に残された血痕は竹森被告のものとは言えないと訴えた。
竹森被告は事件から20年後の21年10月に殺人容疑で逮捕された。
起訴状などによると、竹森被告は01年2月6日、福山市明王台の住宅に玄関から侵入し、主婦=当時(35)=の腹を果物ナイフで突き刺すなどして殺害したとされる。
[時事通信社]