東京電力福島第1原発事故で溶け落ちた2号機の核燃料(デブリ)の分析を進めている日本原子力研究開発機構(JAEA)は30日、試験的取り出しで回収したデブリから新たにカルシウムなどを検出したと発表した。事故時に核燃料を冷却するために注入した海水由来の可能性があるという。
JAEAによると、新たに検出されたのはカルシウムの他にマグネシウムやケイ素などで、いずれも海水に含まれる。これまでの分析では、核燃料の主成分であるウランと、原子炉内の構造物に含まれる鉄やニッケル、核燃料を覆う管に使われるジルコニウムなどが見つかっていた。
デブリ表面にはウランが広く分布していることも新たに確認されたが、均一ではなかったという。今後は半年から1年程度かけて大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県)など他の研究施設でも解析し、本格的な取り出しに向けた研究に役立てる。
1回目の試験的取り出しは昨年9~11月に実施。東電は早ければ今年3月にも2回目の試験的取り出しに着手する方針を示している。
[時事通信社]