衆院予算委員会は31日午前、石破茂首相と全閣僚が出席して基本的質疑を行い、2025年度予算案の実質審議に入った。首相は調整中の日米首脳会談で、北朝鮮による拉致問題解決に向けた協力をトランプ大統領に要請する考えを表明した。
沖縄県・尖閣諸島が日米安全保障条約の適用対象であることを確認する意向も示した。いずれも日本が主体的に解決すべき問題だとする一方、「米国の理解と協力は必要だ」と強調した。自民党の中曽根康隆氏への答弁。
首相は対米投資の促進策も協議すると説明。過去5年間で最も多くの対米投資を行っている国が日本であると指摘し、「投資や雇用創出と同時に日本の国益も実現する」と述べた。自民の小野寺五典政調会長への答弁。
首相は、トランプ氏が液化天然ガス(LNG)の輸出拡大に前向きな姿勢を示していることを念頭に、「安定的なエネルギー供給に対し要請すべきことがある」とも語った。会談を通じ「日米両方の国益を満たす新しい形の同盟」を構築すると掲げた。
人工知能(AI)を巡り、「安心、安全な研究開発、活用についての基本計画を作らなければならない」と述べた。中国企業ディープシーク(深度求索)の動向も踏まえ「偽・誤情報が瞬時に伝播(でんぱ)するリスクの最小化を図る法整備が喫緊の課題だ」と唱えた。自民の塩崎彰久氏らへの答弁。
午後は立憲民主党の長妻昭代表代行らが質問に立つ。
[時事通信社]