清水建設は31日、新村達也副社長(63)を社長に昇格させる人事を発表した。井上和幸社長(68)は代表権のある会長に就任し、宮本洋一会長(77)は相談役に退く。4月1日付。社長交代は9年ぶりとなる。
昨年5月に策定した中期経営計画(2024~26年度)に沿って業績回復に向けた環境などが整ったことから、人事を刷新する。清水建設は、建築資材価格の高騰などを背景に利益が減少し、24年3月期の連結決算で1961年の上場以来初めて営業損益が赤字に転落。工事の採算改善などに取り組み、25年3月期は黒字転換を見込んでいる。
東京都内で開いた記者会見で、新村氏は「品質やコスト、工程への徹底したこだわりを通じて、原点である建設事業を立て直す」と強調。建設業界は人手不足が深刻だが、協力会社などと共に生産性向上や後継者育成に取り組む方針を示した。
[時事通信社]