【ワシントン、サンパウロ時事】カナダのトルドー首相とメキシコのシェインバウム大統領は1日、米国の25%の関税引き上げに対し、対抗措置を実施する方針を明らかにした。カナダは米国の輸入品に、25%の報復関税をかける。
トルドー氏は記者会見し、米国の関税引き上げは「カナダ国民に打撃を与えるだけでなく、米国民に実際に影響をもたらす」と警告。米国からの輸入品1550億カナダドル(約17兆円)相当に対し、25%の関税を課すと発表した。
まずは4日に300億カナダドル分に対して発動。その後21日間で対象を拡大する。国内企業には代替取引先探しなど、対応する時間的猶予を与える。ワインや果物、スポーツ用品、原材料など幅広い品目が対象になるという。
シェインバウム氏も、Xへの投稿で、関税や非関税の措置を盛り込んだ対抗策の実施を指示すると表明。米国が関税発動の理由として合成麻薬フェンタニルの流入を挙げていることに関し「過去4カ月間に2000万回分のフェンタニルを含めて40トン以上の薬物を押収、1万人以上を逮捕した」と説明した。
シェインバウム氏は米国に対して「メキシコは対立を望まない」と強調。両国の公衆衛生や安全保障の担当者による「作業部会の設置を提案する」と呼び掛けた。トルドー氏もトランプ米大統領との会談を望んでいると語った。
[時事通信社]