【ワシントン時事】トランプ米政権の関税に対抗し、カナダで米国産の酒類を店頭から撤去する動きが広がっている。最大都市トロントがある東部オンタリオ州のフォード首相は酒類を扱う専売公社に米国産の店頭撤去を指示。飲食店への販売もやめる。トランプ関税に反発した同様の対応は他の州にも波及している。
フォード氏は2日、オンタリオ州は米国産ワインやビールなどを年間10億カナダドル(約1050億円)近く販売していると説明。「素晴らしいオンタリオ産やカナダ産品を選ぶ絶好の機会だ」と呼び掛けた。
バンクーバーのある西部ブリティッシュコロンビア(BC)州は、トランプ氏の米共和党が地盤とする「赤い州」で作られた酒類を店頭から撤去する。バーボンウイスキーなどの産地として知られる南部ケンタッキー州やテネシー州はいずれも「赤い州」だ。BC州のエビー首相はSNSで「カナダに関税を課すという米国の計画は国境の両側の家族に打撃を与える」と批判した。
[時事通信社]