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日米、首脳共同声明へ調整=初会談で同盟安定アピール―石破首相、LNG輸入拡大伝達

時事通信 2025年2月3日 18時36分

 日米両政府は石破茂首相とトランプ大統領の初会談の成果として、同盟の強化を柱とする首脳共同声明を発出する調整に入った。安全保障や経済など幅広い分野で共同歩調を取ることを盛り込み、日米関係の安定を内外に示す狙い。首相は米国産液化天然ガス(LNG)の輸入を拡大する方針を伝える考えだ。複数の政府関係者が3日、明らかにした。

 首相は6~8日の日程で米ワシントンを訪れ、7日にホワイトハウスで首脳会談に臨む方向。昨年11月の大統領選後、首相とトランプ氏の対面会談は初めてとなる。

 首相は3日の衆院予算委員会で、法の支配などの基本的価値や「自由で開かれたインド太平洋」を目指す立場はトランプ氏とも共有していると指摘。「齟齬(そご)が生じると思っていない」と述べた。

 会談では中国による覇権主義的な動き、北朝鮮とロシアの軍事的な結び付きを踏まえ、日米同盟の抑止力・対処力強化を確認。自衛隊と米軍の指揮統制連携の向上などで一致する見通しだ。

 首相は米国の対日防衛義務を定めた日米安保条約第5条が沖縄県・尖閣諸島に適用される点を改めて確認したい考え。北朝鮮による日本人拉致問題への協力も求める。

 LNGの輸入拡大は、トランプ氏が1月20日の就任演説で石油と天然ガスの輸出を拡大する方針を示したことを踏まえた。「米国第一主義」の下、日本に過度な要求が向かう事態を避けるため、日本企業の対米投資が米国内の雇用創出に貢献している点も伝える。半導体を巡る協力も話し合う。

 会談ではまた、トランプ氏に早期来日を招請する見通しだ。

 個人的な信頼関係の構築も焦点となる。大統領就任から18日後の初顔合わせは、過去の例と比べても早いタイミング。首相は3日の衆院予算委で「トランプ氏は意外と人の意見をよく聴くと聞いている。ひょっとしたらケミストリー(相性)が合うかもしれない」と期待を示した。 

[時事通信社]

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