電力大手10社の2024年4~12月期連結決算が3日出そろった。純損益は全社が黒字を維持したものの、北海道、関西、沖縄の3電力を除く7社が減益。液化天然ガス(LNG)など発電用燃料の価格が下落する局面で大幅な利益が生じた前年同期からの反動減が出た。
同日発表した中部電力は洋上風力発電で損失を計上したことも響き、純利益が前年同期比53.2%減となった。林欣吾社長は記者会見で「インフレ、円安、供給網の逼迫(ひっぱく)で(洋上風力の)建設コストは想定以上に高くなっている」と説明した。
各社の純利益を見ると、九州電力が4割以上、東北電力や中国電力、東京電力ホールディングス(HD)は3割以上も減少した。前期は燃料価格の下落を電気料金に反映するまでの時間差で生じた「期ずれ」差益を計上したが、今期は価格変動が限定的で差益が縮小し、差損に転じた社もあったことが一因だ。
一方、原発全7基が再稼働した関西電は過去最高益の3622億円を記録した。
[時事通信社]