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防衛での欧州結束確認=英首相ら参加し首脳会議―EU

時事通信 2025年2月4日 14時12分

 【ロンドン時事】欧州連合(EU)は3日、防衛問題に特化した初の非公式首脳会議をブリュッセルで開いた。北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長とスターマー英首相も参加。欧州との防衛協力に後ろ向きな姿勢が目立つトランプ米大統領の返り咲きを踏まえ、欧州の結束を確認するとともに、防衛力の強化策などについて協議した。

 ウクライナ侵攻を続けるロシアの脅威に加え、防衛面でも強力なパートナーだった米国の姿勢転換に欧州は危機感を募らせている。EUはNATOの軍事的な役割を支える形で、防衛資金の調達や防衛産業の連携といった課題に取り組み、欧州の自立した防衛体制の構築を目指す考え。

 ただ、足並みが完全にそろっているわけではない。兵器の調達を巡り、フランスのマクロン大統領は「欧州製品を優先的に購入することが、自立への道だ」と主張。これに対しドイツやポーランドなどは、軍事力の迅速な増強には米国製品の購入が不可欠だと訴えた。国防費を国内総生産(GDP)比2%とするNATOの現行目標の達成度にも、ばらつきがあるのが現状だ。

 一方、自立を目指しつつも、欧州の安全保障確保には米国との協力が必要との認識で、各国は一致している。首脳会議後の記者会見でルッテ氏は「米国なしでNATOは機能しない」と明言。スターマー氏も「(EUと米国の)どちらかを選ぶのではなく、両方と協力することが重要だ」と強調した。 

[時事通信社]

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