農林水産省が4日発表した2024年の農林水産物・食品輸出額は前年比3.7%増の1兆5073億円となり、12年連続で過去最高を更新した。東京電力福島第1原発の処理水放出に反発し、日本産水産物の禁輸措置を取った中国への輸出減を米国向けなどの好調が補った形だが、25年に2兆円とする政府目標の実現は見通せない。
国・地域別では米国が最大で、17.8%増の2429億円。中国に代わるホタテ貝の輸出先として販路開拓を進めたことなどが後押しした。台湾は11.2%増の1703億円で、ホタテ貝のほか、贈答用で人気のリンゴなどが伸びた。一方、中国は29.1%減の1681億円、香港は6.6%減の2210億円に落ち込んだ。
[時事通信社]