「間違っているところもあります」。4日、和歌山地裁で開かれた岸田文雄前首相襲撃事件の初公判。これまで黙秘を続けてきた木村隆二被告(25)は、裁判長から起訴内容について問われると、弁護人の方を見ながら、小さな声でそう答えた。
木村被告は午前10時40分ごろ、黒の上着とズボンを着用し、水色のサンダルを履いて入廷した。髪は短めで眼鏡を掛け、拘置所の職員と共に姿を見せた。
入廷後、弁護人の隣に着席。人定質問で、裁判長から住所を問われた際は「間違いはありません」と述べた。
検察官が起訴状の朗読を終え、裁判長から認否を尋ねられると、「人を害する目的ではない」「選挙をやっていることを知らなかった」などと、小さいながらもはっきりとした声で答えた。
審理は午後5時前に終了した。裁判長が閉廷を宣言すると、立ち上がってしっかりとした足取りで法廷を後にした。
和歌山地裁前には傍聴券を求めて朝から多くの人が並んだ。警備のために金属探知機も設置され、物々しい雰囲気に包まれた。
[時事通信社]