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ガザ所有は「人民への攻撃」=イスラム組織もトランプ構想非難

時事通信 2025年2月6日 14時24分

 【カイロ時事】トランプ米大統領がパレスチナ自治区ガザの住民を近隣国へ移住させ、同地を「所有する」構想を打ち出したことに対し、米国やイスラエルと対立する中東諸国のイスラム組織からも非難が相次いだ。ガザは先月、ようやく停戦の第1段階に入ったところだが、交渉仲介役を務めた米国への反発拡大で、恒久停戦に向けた協議が複雑化する可能性もある。

 AFP通信によれば、ガザを実効支配していたイスラム組織ハマスは5日、声明で「米国によるガザ占領を目的とした提案は、われわれの人民や大義への攻撃だ」と非難。「地域の安定化に貢献しないどころか、火に油を注ぐに等しい」と批判した。

 イスラエルがハマスと並んで掃討作戦の対象とするパレスチナの武装組織「イスラム聖戦」は、「アラブや地域の国々、とりわけエジプトとヨルダンの安全保障を脅かす危険なエスカレーションだ」と強調した。トランプ氏はガザ住民の移住先として、エジプトとヨルダンを名指しして受け入れを迫っている。

 ロイター通信によると、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの政治顧問は5日、トランプ氏の構想について「犯罪的な命令だ」と糾弾した。ヒズボラはハマスへの連携を表明してイスラエルと交戦し、昨年11月に停戦入りした。

 ヒズボラと同様、ハマスと連携してイスラエル攻撃を続けてきたイエメンの武装組織フーシ派は、系列のテレビ局を通じ声明を発表。「パレスチナの大義に対するさまざまな攻撃に向き合うに当たって、パレスチナの側に立つ」と連帯を明言した。

 アフガニスタンで2021年に親米政権を倒し、再び実権を掌握したイスラム主義組織タリバンも、トランプ氏の発言が「あからさまな国際法違反だ」と主張。「ガザはパレスチナの不可分の領域であり、それ以外の誰であれ住民の運命を決める権限を持たない」とした。 

[時事通信社]

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