【サンパウロ時事】中米パナマのムリノ大統領は6日、米国がパナマ運河周辺での中国の影響力拡大に懸念を示していることを受け、中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」離脱に向けた手続きを正式に開始したと明らかにした。ムリノ氏は2日のルビオ米国務長官との会談後、離脱する方針を示していた。7日にトランプ米大統領と電話会談する。
ムリノ氏は記者会見で、2017年に中国側と交わした一帯一路に関する覚書について、「取り消すことを在中国パナマ大使館を通じて通告した」と説明。トランプ氏が特に問題視する、運河の両端付近で港湾を運営する香港系企業との契約を巡っては、現在実施中の監査結果が出てから対応を決めると強調した。政府が契約解除を検討していると報じられたが「恣意(しい)的に解除する権限はない」と述べた。
一方で、米公船のパナマ運河通航料が無料になるという米国務省の5日の発表については「虚偽に基づいており、認められない」と真っ向から否定。その上で、「(通航料の)調整は行っていない」と言及したパナマ運河庁の5日の声明を「外交チャンネルを通じて(世界に)広めるよう外相に指示した」と述べた。
[時事通信社]