【ワシントン時事】トランプ米大統領は6日、米政府内に「反キリスト教的偏見」を根絶するための組織を新設する大統領令に署名した。大統領令は、女性の人工妊娠中絶やトランスジェンダーの権利を推進したバイデン前政権を「反キリスト教的」と批判。前政権下で中絶に反対する団体などが「迫害を受けた」と主張し、これらを検証し、是正するのが目的だとしている。
これに先立ち、トランプ氏は6日にワシントン市内の宗教イベントで演説し、大統領令に関し「宗教を復活させなければならない。神をわれわれの生活に取り戻そう」と訴えた。ボンディ司法長官を新設組織のトップに起用し、「社会における反キリスト教的な暴力行為を徹底的に訴追させる」と説明した。
トランプ氏は昨年11月の大統領選で中絶禁止を求めるキリスト教福音派などの支持を受けて当選した。ただ、米メディアでは今回の大統領令と政教分離の原則の相反を指摘する声も上がっている。
[時事通信社]