1986年に福井市で中学3年の女子生徒=当時(15)=が殺害された事件で、殺人罪が確定し服役した前川彰司さん(59)の名古屋高裁金沢支部での再審初公判期日が、3月6日に指定された。前川さんの弁護団が7日、明らかにした。
再審公判で検察側は有罪を主張する方針だが、有罪を立証する新たな証拠は提出しないとしている。弁護側は再審開始の決め手となった当時の捜査報告書など計169点を証拠として採用するよう求めており、検察側は同意する意向を示しているという。公判は即日結審する見通し。
前川さんは事件への関与を一貫して否定。一審福井地裁は無罪としたが、二審名古屋高裁金沢支部は懲役7年とし、97年に確定した。第2次再審請求審で同支部は昨年10月、「捜査機関が不当な働き掛けをし、関係者の供述が形成された疑いが払拭できない」として、再審開始を決定した。
[時事通信社]