「1票の格差」が最大2.06倍だった昨年10月の衆院選は投票価値の平等に反して違憲だとして、弁護士らのグループが選挙無効を求めた訴訟の判決が12日、広島、大阪、札幌各高裁であり、いずれも「合憲」と判断して請求を退けた。
二つの弁護士グループが全国14の高裁・支部に計16件の訴訟を起こしており、最初の判決だった6日の広島高裁岡山支部に続き、合憲判断は計4件となった。3月7日までに全ての判決が言い渡され、年内にも最高裁で統一判断が示される見通しだ。
広島高裁の倉地真寿美裁判長は、各都道府県の人口比をより正確に反映できるとされる「アダムズ方式」を採用した昨年衆院選の選挙区割りについて「合理性がある」と指摘。格差の拡大の程度も著しいものではないと述べた。大阪、札幌両高裁も同様の判断を示した。
札幌高裁の判決後に記者会見した原告側代理人の伊藤真弁護士は「国の言い分をなぞったもの。投票当日の1票の価値を考えていない」と批判した。
[時事通信社]