医療費の支払いを抑制する「高額療養費制度」の利用者負担引き上げを巡り、福岡資麿厚生労働相は12日、がん患者団体などと面会した。団体側は「治療の断念につながりかねない」として、引き上げ凍結を要請。出席者によると、厚労相は「長期治療を受ける人の負担については配慮を検討している」と応じたという。
高額療養費制度に関し、政府は昨年末、所得区分を細分化するなどして、今夏から自己負担上限額を3段階で引き上げる案をまとめた。治療が長期にわたる患者の場合、直近12カ月以内に3回以上上限額を超えると、4回目から上限額を引き下げる「多数回該当」の仕組みもあるが、見直し後は負担額が上がる見通し。
全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長は面会後、記者会見し「引き上げ幅が非常に大きい。医療費を削減するなら他にも手段はあるはずだ」と主張した。
[時事通信社]