【ロンドン時事】ヘグセス米国防長官は12日、北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対し、現行の「国内総生産(GDP)比2%」の国防費目標では不十分だとして、「5%」への引き上げを求めた。また、ロシアの侵攻が続くウクライナについて「2014年以前の国境に戻ることは非現実的な目標だ」と述べ、領土の完全回復を前提としない和平の模索が必要だとの考えを示した。
ブリュッセルで開かれたウクライナ支援国会議で語った。
ヘグセス氏は、ウクライナへの軍事支援に関し「欧州が大部分を提供しなければならない」と指摘。ポーランドがGDPの5%近くを国防費に充てていることを「欧州の模範」と評価し、他国にも増額を促した。
さらに「われわれは自国の国境の安全保障に注力しなければならない」と語り、米国が欧州の安全保障に重点を置くことは困難との認識を示した。その上で「競争相手」である中国をインド太平洋地域で抑止することが米国の最優先課題だと強調した。
[時事通信社]