【ワシントン時事】トランプ米大統領とプーチン・ロシア大統領は12日、電話会談し、ロシアが侵攻を続けるウクライナでの戦闘終結に向け、交渉を開始することで合意した。米ロ両政府が発表した。第2次トランプ政権発足後、米ロ首脳の直接対話が公式に確認されたのは初めて。
トランプ氏はウクライナのゼレンスキー大統領とも電話会談し、プーチン氏との協議内容を共有。トランプ氏は戦闘の早期終結のために、プーチン、ゼレンスキー両氏に直接働き掛ける考えを示してきた。プーチン氏との直接対話が実現したことで停戦交渉を巡る動きが活発化しそうだ。
トランプ氏は自身のSNSで、プーチン氏とはウクライナ戦争で「大勢の人が死ぬのを止めたい」との認識で一致したと説明。早期に交渉を始めることで合意し、互いの国を訪問することも確認したという。
この後、トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、プーチン氏との協議を「素晴らしい電話だった。長時間続いた」と評価した。プーチン氏が戦争終結を望んでいると強調し、同氏とサウジアラビアで会談する考えを示唆。また、「そう遠くない将来に停戦が実現するだろう」と語った。
ロシア側の発表によると、プーチン氏は電話会談で「紛争の根本原因を除去する必要がある」と指摘した。さらに「持続可能な解決は平和的な交渉を通じてのみ達成できる」と強調。戦闘終結を目指すトランプ氏の考えに支持を表明した。報道によると、会談は約1時間半とされ、トランプ氏のモスクワ訪問も招請した。
ゼレンスキー氏は、トランプ氏との電話会談で「平和実現の機会」について協議したとX(旧ツイッター)で明らかにした。その上で「米国と共に、ロシアの侵略を阻止し、永続的で信頼できる平和を確保するための次のステップを計画している」と述べた。
トランプ氏はルビオ国務長官のほか、ラトクリフ中央情報局(CIA)長官、ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)らに交渉を進めるよう指示したと発表。14日にはバンス米副大統領とルビオ氏がドイツのミュンヘンでゼレンスキー氏と会談する。
[時事通信社]