東京高検・黒川元検事長の「定年延長」に関連する公文書の不開示決定の是非が問われた裁判で、大部分の決定を取り消した大阪地裁の判決について国側が控訴を断念し、判決が確定したことがわかりました。
2020年1月、当時の政府は「国家公務員法の定年延長制は検察官に適用されない」との法解釈を変更し、2月に定年退官する予定だった東京高検の黒川弘務検事長(当時)の定年を半年間延長する閣議決定をしました。
神戸学院大学の上脇博之教授は、法務省内で協議した記録の開示を求めましたが不開示を通知され、21年1月、大阪地裁に提訴。
「文書の作成は義務づけられている」などと主張していました。
一方で国側は裁判で、解釈変更を示す文書の存在を認めましたが、黒川氏の定年延長が目的ではないとして請求棄却を求めていました。
6月27日の判決で大阪地裁は「合理的に考えれば、解釈変更は黒川検事長の勤務延長の目的としているほかあり得ない」とし、不開示とした国の決定の大部分を取り消す判決を言い渡しました。
控訴期限は11日まででしたが、控訴されなかったということです。