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関電送配電 基準値超えの化学物質を20年以上放置か 虚偽の報告も…19万台の柱上変圧器取り替えへ

ABCニュース 2024年10月1日 21時56分

 関西電力送配電は、電柱に設置している変圧器に国の基準値を超える有害な化学物質「PCB(ポリ塩化ビフェニル)」が含まれていることを20年以上把握していたにもかかわらず、2018年に初めて発覚したと虚偽の報告をしていたことを明らかにしました。

 関西電力送配電は、人体に有害な化学物質・PCBを含む柱上変圧器について、国の指示に従い1990年以降、除染修理をして再使用を進めてきました。

 しかし、1998年と2002年、除染して再使用していた変圧器から国の基準値を超えたPCBを確認していたものの、担当者らは国などに報告せず、交換などの対応を取っていませんでした。

 その後、2018年の台風21号の影響で倒壊した電柱に設置されていた変圧器から漏れた油から基準値を超えたPCBを検出。

 この際、当時配電部門のトップだった、高市和明副社長は「過去から把握していた事実については隠したほうがよい」という旨の指示をし、関西電力送配電は国や大阪府などに「台風21号がきっかけで把握した」と虚偽の報告をしていました。

 去年11月に内部告発があったことをきっかけに社外の弁護士が調査した結果、事案が発覚したといい、高市氏は1日付で副社長を辞任しました。

 関電送配電は法令違反はなかったとした上で、基準値を超えるものがあると把握しながら適切な対応をとらなかったことはコンプライアンス上不適切であったとしています。

 PCBは体内に入ると蓄積し、発がん性などがある有害な化学物質です。

 関電送配電はPCBの適正な処理の推進を定めたPCB特措法を踏まえ、2026年度までに柱上変圧器約19万台を新品に取り替えるとしています。

 現時点で環境や人体への影響は確認されていないということです。

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