「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家の男性を殺害したなどの罪に問われた元妻の第１０回公判が和歌山地裁であり、男性が元妻に「離婚だ」「悔しいか」などと迫る様子を見た家政婦の供述調書が読み上げられました。
元妻の須藤早貴被告（２８）は２０１８年５月、夫だった野崎幸助さん（当時７７）に和歌山県田辺市の自宅で致死量の覚醒剤を摂取させ、殺害した罪に問われていて、裁判では無罪を主張しています。
８日の裁判で読み上げられた野崎さん宅の家政婦の供述調書によりますと野崎さんは、須藤被告が添い寝をしてくれないことなどに不満を抱いていた、ということです。
その上で野崎さんは須藤被告に離婚届を示し「お前とは離婚だ」「悔しいか」「悔しかったら（離婚届を）破いてみろ」と迫る場面があったということです。
また、家政婦は「（野崎さんが）死んだら遺産もらえる？」と須藤被告から問われたことがあるといい「遺産目当てで社長に近づいたのではないかと思った」とも供述していました。
一方、弁護側はこれまでの裁判で「須藤被告からの離婚話を野崎さんに慰留されたこともあった」と主張しています。