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「検察庁や国が隠そうとしたものが表に出る」 取り調べの録音・録画データ約17時間分 最高裁が提出認める決定 無罪確定のプレサンス元社長の裁判

ABCニュース 2024年10月17日 22時37分

 大阪地検特捜部に逮捕され、後に無罪が確定した不動産会社の元社長が開示を求めていた取り調べの録音・録画データについて、最高裁は提出範囲を制限した大阪高裁の決定を破棄し、約17時間分の提出を認める決定をしました。

 「プレサンスコーポレーション」の元社長・山岸忍さんは、学校法人の資金を横領したとして2019年に大阪地検特捜部に逮捕・起訴され、その後、無罪判決を受けました。

 山岸さんと弁護団は国に賠償を求める裁判で、特捜部の“山岸さんが横領に関与した”と供述していた元部下への取り調べを記録した録音・録画データの提出を求め、大阪地裁が17時間分の提出を命じた一方、大阪高裁は約50分に制限する決定を出し、山岸さん側が抗告していました。

 最高裁は16日付けで、検事の言動などが正確に記録された録音録画は「多くの情報を含んでいて取り調べる必要性は高い」として、大阪高裁の決定を破棄し、約17時間分のデータの提出を認める決定をしました。

 (山岸さんの弁護団・中村和洋弁護士)「嘘をつく人もいるし凶悪な犯罪を現に犯した人もいるかもしれないが、それを日々追及していると(取り調べには)歯止めが利かない構造的な欠陥がある」

 (山岸さんの弁護団・秋田真志弁護士)「(録音・録画が)国民の目に触れることを心底嫌がっていた」「これまで公開されていなかったもの、検察庁や国が隠そうとしたものが表に出るということで注目いただきたい」

 決定を受け、山岸さんは、「このような取り調べを受けることは誰にでもあり得ることで、二度とこのようなことが起こらないようにして欲しいです」などとしています。

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