難病のＡＬＳ患者に依頼され殺害した罪に問われた医師の控訴審判決で、大阪高裁は被告側の控訴を棄却しました。
大久保愉一被告（４６）は２０１９年、元医師の山本直樹被告（４７）と共謀し、難病のＡＬＳを患う女性（当時５１歳）に依頼され殺害したとする、嘱託殺人などの罪に問われていました。
被告側は１審から一貫して、「女性の希望を実現した被告を罪に問えば、自己決定権を保障する憲法に違反する」などと、無罪を主張していました。
これに対し、大阪高裁は「憲法の趣旨に照らせば、人生の終わりのあり方を決めることは尊重されるべきだが、依頼を受けて殺害することは許されない」と指摘。
その上で、「患者の意思が変更される可能性を見極めることもしておらず、社会的な相当性を認める余地はない」と指摘し、懲役１８年（求刑・２３年）を言い渡した１審・京都地裁の判断を支持しました。