放課後等デイサービスで利用者を死亡させたとして業務上過失致死などの罪に問われた宇津雅美被告（６６）の裁判が２５日、大阪地裁であり、検察は懲役１年１０月を求刑しました。一方、弁護側は執行猶予付き判決を求めています。
起訴状などによりますと、児童発達支援の管理責任者だった宇津雅美被告（６６）はおととし１２月、大阪府吹田市の放課後等デイサービスで、送迎時に従業員２人で引率するなどの注意義務を怠り、清水悠生さん（当時１３歳）を溺死させたとして業務上過失致死の罪に問われています。
２５日の裁判で、検察側は「障害がある児童を預かる立場にある者として、最も基本的な注意義務に違反した」と指摘。
「自らの過ちを省みる姿勢も十分ではない」とし、懲役１年１０月を求刑しました。
弁護側は最終弁論で、「施設はすでに閉鎖し、被告が今後、福祉活動に関わる可能性はない。両親に耐えがたい苦痛を与えてしまったことを深く反省している」とし、執行猶予付き判決を求めました。
これに先立ち遺族の意見陳述が行われ、悠生さんの母親は「真実をきちんと伝えてくれたら、この施設に悠生を預けることをやめていた。被告は川から引きあげられた子どもに会いに来ず、線香１本あげにも来ていない。非常に不誠実で、許すことはできない。我が子の命がこのような形で奪われ、悔しくてならない。厳重な処罰を求める」などと訴えました。
判決は１２月２３日に言い渡されます。