大阪府岸和田市の永野耕平市長が政治活動で関わりがあった女性との性的関係を持ち続けたことをめぐり、女性が損害賠償を求めた裁判があり、市長が謝罪して解決金500万円を支払う内容で和解したことがわかりました。
女性側の代理人弁護士が会見を開き、明らかにしました。
女性側の代理人弁護士によりますと、女性は2019年、市長と政治活動の中で知り合い、直後から食事に誘われるなどし、6月から性的関係を求められたといいます。
女性は市長に対し、何度も拒否してきたといいますが、その後も強引にホテルに連れて行かれるなどし、21年1月まで、性的な行為を強要され続けたということです。
女性は心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、21年春から休職。現在は仕事を辞め、治療を続けているということです。
女性は大阪府警に強制性交罪で被害届を提出しましたが21年12月、不起訴となり、22年6月に約2280万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴していました。
女性の訴えに対し、永野市長は「同意があった」などと反論していました。
11月14日付で解決金500万円の支払いと市長が女性に謝罪する内容の和解が成立し、地裁は「原告の雇用関係を左右し得る優越的な立場で、社会的な上下関係が自ずと形成されていたと認めるのが相当」と指摘。
その上で、「被告は公人で配偶者もいることを考慮すると非難を免れない」との所見を示しました。
女性は報道機関に対し、以下のような言葉を寄せました。
「被告を許したわけではありません。今でも本当に悔しいです。泣きながら拒絶する私を立場や権力を乱用し、恐怖でおさえつけ逃げられないようにすることが同意なのでしょうか。被告から逃れるために自ら命を絶つしかないという極端な選択を考えるまでに追い詰められました。自分の言葉で皆さまにお伝えしようと決意したのは次の被害者を出さないためです。私の願いは、被害に遭う前の元気だったころのような普通の生活を取り戻したい」