大阪公立大病院の前身の病院で、高齢男性が手術後に多量の鎮静剤を投与され、意識不明となった医療事故をめぐり、男性の長男らが「十分なケアを怠った」などとして、病院を相手に訴えを起こしました。
訴状によりますと、当時79歳だった男性は2019年12月、右手首を骨折して、当時の大阪市立大病院、現在の大阪公立大病院で手術を受けました。
手術後に男性は不安定な状態になり、麻酔医が鎮静剤などをおよそ6分間にあわせて5回、注射したところ、男性は直後に心停止状態の意識不明となりました。男性は3年半後に死亡したといいます。
男性の遺族は、多量な鎮静剤の投与によって、気道がふさがり、窒息する恐れがあるのに、病院側が十分にケアを怠ったなどとして、病院に慰謝料などあわせて1億5200万円あまりの損害賠償を求める訴えを起こしました。
病院は、事故から3年ほどたった2022年に記者会見を開き謝罪していて、遺族は、病院の内規に定められた医療事故の公表基準に違反していると主張しています。