部下の女性に性的暴行を加えた罪に問われている、元大阪地検検事正の弁護人が、被害を訴えている元部下が検事の職権を乱用している疑いがあると主張しました。
起訴状によりますと、大阪地検の検事正だった北川健太郎被告(65)は2018年9月、大阪市内の官舎で酒に酔って抵抗できない状態だった部下の女性に性的暴行をしたとして、準強制性交の罪に問われています。
北川被告は初公判では起訴内容を認め、「争うことはしません」と述べていましたが、10日に弁護士が会見を開き、「同意があったと思っていた」などと一転、無罪を主張しました。11日には元部下の女性が会見を開き、「否認に転じ、無罪を主張していることを知り、絶句し泣き崩れました」と話しました。
13日になり、再び北川被告の弁護士が各社の取材に応じ、事件で請求予定の証拠の中に、被害を訴えている元部下が検事の立場でしか入手出来ない資料があると主張。個人の裁判で使用されれば、職権乱用の疑いがあり重大なプライバシー侵害になるとして、大阪地検に調査の申入書を送ったことを明らかにしました。
これに対し、被害女性の弁護士は「要望の内容が分からず、現時点で被害者の代理人として何か申しあげる立場にない」とコメントしています。
次回の裁判の期日は決まっていません。また北川被告の弁護士は事務所に脅迫や誹謗中傷が相次いでいるため警察に調査を依頼していることも明らかにしました。