怒鳴ったり、侮辱したりする取り調べの映像が、法廷で再生されました。
不動産会社「プレサンスコーポレーション」の元社長・山岸忍さん(61)は2019年、学校法人をめぐる横領事件で大阪地検特捜部に逮捕・起訴されましたが、無罪となり、おととし、国に賠償を求めて提訴しました。
裁判では、田渕大輔検事が山岸さんの元部下を取り調べた録音・録画映像の扱いが焦点の一つとなり、最高裁が10月、約18時間分を証拠として提出するよう、国に命じました。最高裁が、民事裁判で取り調べ映像の公開を認めるのは初めてでした。
18時間分のうち、きょう20日、大阪地裁の法廷で再生されたのは、田渕検事が怒鳴る場面など、弁護団が「特に問題がある」と判断して抜粋した約25分間の映像です。
(田渕検事)「何で嘘ついたの」
(山岸さんの元部下)「嘘っていうか…」
(田渕検事)「今のが嘘じゃなかったら、何が嘘なんですか。まだそんなこと言ってるの。ふざけなさんなよ。『はい』じゃないだろ。反省しろよ少しは。何を開き直ってるんだよ」「検察なめんなよ。命懸けてるんだよ、俺たちは。あなたたちみたいに金賭けてるんじゃないんだ」
大阪高裁は、こうした取り調べを違法だとして、田渕検事を特別公務員暴行陵虐の罪に問う刑事裁判を開くことを決めています。
民事裁判の審理は20日で終結し、来年3月に判決が出される予定です。