不動産会社の客だった男性に、うその投資話を持ちかけ現金をだまし取ったとして、兵庫県警尼崎東署は不動産会社に勤めていた無職の男(39)を逮捕しました。
「売却金を私に預けませんか」などの誘い文句で投資を持ちかけていたとみられ、同様の手口による被害者は約60人、総額は約5億6000万円に上るということです。
8日に逮捕された東京都世田谷区に住む無職の男(39)はおととし1月、神奈川県に住む78歳の男性に対しうその投資話を持ちかけ、現金300万円を自身の口座に振り込ませてだまし取ったとして、詐欺の疑いが持たれています。
警察によりますと男は当時、東京都内の不動産会社に勤めていて、客らに対し高利回りと元本保証をうたった上で、「売却した金を私に預けませんか」などの誘い文句で、金融商品「仕組み債」への投資話を持ちかけていたということです。
仕組み債はデリバティブ(金融派生商品)を組み込んだ複雑な債券で、株価などの指標の変動によって元本割れのリスクもあります。
警察の調べに対し男は「詐欺をしようとお金を預かったわけではない」と、容疑を否認しています。