神戸市垂水区の山陽電鉄・西舞子駅近くの踏切で、中国人観光客の女性2人がはねられて死亡した事故を受け30日、現場に鉄道会社や自治体関係者らが集まり、再発防止策について話し合いました。
出席者からは踏切自体の「廃止」を求める声もあがりました。
警察の呼びかけで行われた「事故現場検討会」には、山陽電鉄やJR、神戸市、国交省の担当者らが参加し、再発防止策について意見を交わしました。
この踏切では、1月9日に中国人女性2人が誤って踏切内で信号待ちをして、山陽電鉄の列車にはねられ死亡しているほか、2009年以降、4件の事故が発生し1人が死亡しています。
きょうの検討会では、踏切と国道の間にある信号待ちのスペースが極端に狭いことなどに対して、警察から国道の横断歩道を数メートル移設させるなどの提案がありました。
一方、横断歩道を移設する場合の工事主体や費用負担をめぐって、国道を管理する国交省の担当者が、「国道ではあるが、踏切道(市道)に対する溜まり(信号待ちスペース)なので、神戸市の管轄」と主張。
対して神戸市は「国道なので市の管轄ではない」と意見が食い違う場面もあり今後、協議されることになりました。
また、出席者の多くが踏切自体の「廃止」を提案していて今後、神戸市などが踏切を利用する地元住民に意見を聞いたうえで判断材料にすることとなりました。
警察は「利用者の多くは地元住民ではあるが、インバウンド客にも分かりやすい踏切にするべき。出席者全体で連携を図って、早急に対策を講じてほしい」としています。