岸田前総理の演説会場に爆発物を投げ込んだとして殺人未遂などの罪に問われている男の裁判員裁判で、男は「ケガをさせるつもりはなかった。申し訳ない」と謝罪しました。
木村隆二被告(25)は2023年、和歌山市で選挙遊説中の岸田前総理の近くに手製の爆発物を投げ込んだなどとして、殺人未遂など5つの罪に問われています。
木村被告はこれまでの裁判で、「殺意はありません」などと起訴内容を一部否認しています。
6日の被告人質問で木村被告は、点火から爆発まで時間がかかる構造にした理由を「1分くらいあれば誰でも逃げられると考えた」と述べました。
また、爆発で2人がけがをしたことについて「ケガさせるつもりではないが、結果としてケガをさせてしまって申し訳なく思ってます」と謝罪しました。
木村被告は2022年に自身が30歳に達していないことなどを理由に参院選に立候補できなかったのは違憲だとして、国に10万円の損害賠償を求めて提訴し棄却されていますが、6日の被告人質問で弁護人に、国家賠償請求から爆発物を投げ込むといった行為に変更したことについて理由を問われ、「裁判をしても棄却されると考えていて、実際に棄却されて、世間的にも注目なかったという事で関心を集めるためには、こういったことしないとどうしようもないのかなと思いました」と話しました。
また「爆発物実験で危険ないと思った、逃げられるよう爆発まで1分かかるようにした」と話した上でけが人が出ていることについて、「けがをさせるつもりなかったが、2人にけがをさせ申し訳ない」と謝罪しました。
判決は19日に言い渡される予定です。