全国のニュースでもお伝えしていますとおり、自民党総裁選挙が12日告示されました。立候補を届け出たのはこれまでで最も多い9人です。事実上、次の総理大臣を選ぶことになる総裁選。県関係の自民党国会議員はどの候補者を推薦・支持するのか。そして総裁選後に行われる公算が大きいとされている、衆議院解散総選挙に向けて有権者は何に注目すべきなのかを取材しました。
今月7日に自民党の会合が開かれた秋田市内のホテル。会合が始まる1時間前に、衆議院秋田1区選出の冨樫博之議員が会場入りしました。
「石破茂を是非」「石破さん、ずっと負けっぱなしなんででもはやり信念持って頑張ってますんで是非」「今回はなんとしてもチャンスはあるので」
会合に出席する党員に石破元幹事長のパンフレットを手渡していました。石破元幹事長の政治姿勢にひかれ、初当選以来活動を共にしてきた冨樫議員。自民党を立て直して様々な課題を解決できるのは石破元幹事長しかいないと話します。
冨樫議員
「5回目の戦い 国を憂いているということで頑張りますので」「自民党のおごりだとかそういうことは我々(自民党)が下野した時から常にそのことを一番に話をしていますよね。だからそういう意味ではいまの政治と金だとかいろんな問題ありましたけども、悪しき慣習というのをここで変えるべきいまそういう時代なんだと」
衆議院東北比例代表選出の金田勝年議員は、自身と同じ旧大蔵省=いまの財務省出身の加藤元官房長官の推薦人に名を連ねました。
加藤氏を支援することについて金田議員は秋田放送の取材に対し「わが国とふるさとの発展のため切磋琢磨しあってきた。「経験・実績ともに十分であり党員党友の皆さまにあらゆる機会を通じて訴えていきたい」とコメントしています。
衆議院秋田3区選出の御法川信英議員は7日の取材に対し次のように述べました。
「各陣営でこれ(政策)をブラッシュアップしているとは思いますが、やはりそうは言いながら今回どうしても争点にならざるを得ないのは"政治と金の問題"だというふうに思います」
御法川議員も加藤元官房長官の推薦人になっています。
参議院秋田県選挙区選出の石井浩郎議員は取材に対し「現時点ではわからない」とコメントしています。
国会議員1人1票の「国会議員票」とそれと同数の「党員票」の合計で争われる自民党総裁選挙。これまでで最も多い9人が立候補していることから、票が分散して、上位2人による決選投票にもつれ込む公算が大きいとみられています。
「実はもう決選投票の話でいろいろうごめいているんですね永田町の議員は」
各都道府県連に1票が割り振られ相対的に国会議員票に重きが置かれる決選投票。長年永田町を取材してきたジャーナリストは、総裁選の成り行きを傍観するのではなく、次の衆議院解散総選挙に向けてしっかりと見届けて判断材料にすることが重要だと指摘します。
ジャーナリスト鈴木哲夫さん
「日本のトップリーダーを決める実質そういう選挙なんだから」「政策的にこうだからこの人を推すんですこの人に入れるんですということをはっきり言う。こういう態度は本当に大事だとは思います。でも実態はそうじゃない」「いま何が起きているかというと、決選投票になったときにはまずポイントの1つとしては"選挙の顔としてどっちがいいか!"つまり年内に選挙ありますから間違いなく ほぼね」「もうひとつは"好き嫌いとかその背後に誰がいるか"なんですね!」
「いま小泉さんのバックに出てきているのが菅(義偉)さんなんですね、そうすると小泉さんが勝てば菅さんがキングメーカーとして力を持つわけです。そうするとそれは絶対いやだという人たちがいる」「こういう背後に誰がいるかによって誰に入れるかが変わってきたりする。これ、もはや権力闘争、かつての派閥どろどろの総裁選と何にもかわらない」
「こうなると自民党を変えていこうという総裁選とは全然違って、結局そういう(権力争い)の総裁選なのっていうことになってしまうですよね」「(党員以外は)総裁選投票できないから関係ないよじゃなくって、ここでの議論の中身とか(県選出議員の)投票行動とか、その辺をしっかり見極めて次の総選挙で自分たちの一票にすると」
「一般国民としてはそういう姿勢が必要だと思いますね」
県内にいる自民党の党員・党友約1万人が投じた票は開票される27日に党本部でほかの都道府県分と一緒に集計され、いわゆるドント方式で候補者に配分されます。
事実上次の総理が選ばれることになる総裁選。選挙期間はこれまでで最も長い15日間で政治改革のあり方や、経済・外交・安全保障など幅広い分野の政策を競います。