道路の至るところで目にするマンホールの蓋が、今年も販売されることになりました。
秋田市が耐用年数を超えた「マンホールの蓋」を売りに出しています。
これまでに買った人がどのように使っているのかも合わせて取材してきました。
様々な道路で目にするマンホール。
地下に埋められた下水道管などに通じる入り口です。
普段は蓋が閉じられていて、特殊な器具がないと開けられません。
蓋は、自治体によって様々な図柄があり、“路上のアート”とも呼ばれています。
田村修アナウンサー
「あちらが今年販売されるマンホールの蓋です。1、2、3、4、55枚ずらっと並んでいます」
売りに出されるのは、1989年から94年に製造され、耐用年数を超えたマンホールの蓋です。
秋田市 下水道整備課 大馬陵太郎さん
「下水道への関心や理解を深めていただくことを目的として販売しております」
秋田市は、下水道事業を身近に感じてもらうため、6年前に蓋の販売を始めました。
マンホールの蓋の直径は60センチ。
鉄製のため、重量があります。
田村アナ
「持てるかな、せーの、おーーもたい!これ何キロあるんですか?」
「これ40キロあります」
「40? 重たい…」
すべて1枚3000円で、これまでに販売された枚数は118枚。
合わせて35万4000円の市の歳入になっています。
羽後町に住む佐藤康二さん77歳は、秋田市のマンホールの蓋を、6年前に買いました。
重くて大きい鉄製の蓋を、どのように使っているのか?
佐藤さんは、庭の出入り口に置いて、玄関マットのような使い方をしています。
様々な物をリメイクして、自宅に飾っている佐藤さん。
蓋に色を塗ってカラフルに仕上げました。
鉄製の40キロマットは安定感があるそうです。
元郵便局員の佐藤さんは、マンホールとは無縁でしたが、購入したのはテレビである使い方を見たのがきっかけでした。
佐藤康二さん
「テレビとかで4、5年、もっと前かな?10年くらい前でなかったっけかな?マンホールで焼き肉をやってたのを見つけたんですよ。で、いいなぁと 思って。鉄板だから熱を通して消毒になるし、あとは油を敷いて染み込ませると、普通の鍋と同じような使い道ができるんですよ」
田村アナ
「でも結構車のタイヤとか人が踏んでいたから、焼肉にはちょっとって思う人もいるんじゃないかなと思うんですけれど、どうですか?」
佐藤さん
「そこら辺の抵抗はないかもしれない」
佐藤さんは元々、マンホールカードを集めていました。
デザイン性あふれる各地の蓋が記載されたカードは、各自治体が作成しています。
無料ですが、それぞれの自治体に行かなければ手に入れることが出来ません。
旅行も兼ねて夫婦で各地を訪れ、マンホールカードを集めてきた佐藤さん。
田村アナ
「マンホールの蓋を買おうと思った時、奥様はどんなふうに思われたもんですかね?」
妻・節子さん
「あっ、私もたまに旅行に行って見たりするので、興味はあったので、すぐ賛成しました」
佐藤さん
「マンホールカードを集めている収集家にとっては、やっぱり現物って言うのは一番魅力的なもんですね」
秋田市には、マンホールが約5万か所あり、そのすべてに蓋がついています。
ここでは、新品の蓋約200枚が出番を待っていました。
短いもので15年、長いもので30年間、踏まれながらも、人が穴に落ちないよう守ってきた蓋の数々。
田村アナ
「どんなふうに、どんな人に活用してもらいたいなと思いますかね?」
秋田市 下水道整備課 大馬陵太郎さん
「そうですね、長く愛着を持って、不法投棄などしないような方々に買っていただければなと思っております」
マンホールの蓋の購入には、秋田市下水道整備課への申し込みが必要です。
販売は10枚で、応募者が多数の場合は抽選で販売先が決まります。
受け付けは20日金曜日までです。
販売は、基本的に秋田市川尻にある上下水道局に取りに来られる方に限られます。
過去には神奈川から申し込んで車で取りに来た人がいたそうです。
ちなみに過去3回で売りに出された118枚に対し応募は、173人でした。
当選倍率は1.5倍で、入手はやや狭き門となっています。