7月の大雨の降り始めから2カ月です。上小阿仁村では川の氾濫が農業に大きな影響を及ぼしています。
2か月経った今も田んぼや畑には大量の流木が残されたままとなています。
上小阿仁村の五反沢地区です。
ここは、7月の大雨で地区全体が被害を受けました。
2か月前、上小阿仁村では1時間に120ミリ以上の猛烈な雨が降ったとみられています。五反沢川の水が溢れ周辺一帯が水に浸かりました。
大雨からほどなく道路の応急整備などは進み、車が通行できるようになりました。
しかし、田んぼだったところは2か月がたったいまも農地に流れ込んだ泥の撤去が行われています
さらに五反沢川の1キロほど上流、中五反沢集落に移動すると。
田村キャスター
「巨大な流木かなり乾いていますね。この下の農地一段低くなっているので、土手に引っかかるようにして今もこれだけの流木が残されています。その反対側には、稲穂の先にまだこれだけの流木が散乱しています」
村は、周辺農家の意向を聞き、田んぼに残された流木などの撤去は稲刈りが終わったあと、集中的に行うことにしています。
それまでは農地には痛々しい爪痕が残されたままです。
町内会長・石川孝広さんは、3年続けて堤防の同じ場所が決壊し、洪水の被害に遭っていると話しています。
石川孝広さん
「直したんだけども、それももう依然と同じ堤防の高さ。嵩上げってことはしてないので、それはもう県の方でも「元の状態に戻す」っていうのは前提で、それに上回ってかさ上げっていうのは、してくれなかったです」
ここ数年で修復された五反沢川の堤防です。「災害復旧事業」は国のお金=国庫が使われますが「現状復帰」が基本です。このため、堤防の、幅を広げたり、かさを高くしたりすることは「災害復旧事業」としては出来ないのが現状です。
石川孝広さん
「多分、こういう小さい所よりは、大きい県道なり国道なり向こうの方の川の方が優先ですよね要は。そちらの方やってはじめてこっちの方にも来るかなと、いうときにまた被害が発生しているという形ですけどね」
7月下旬の県内の記録的大雨は激甚災害に指定されました。
農地などの復旧をめぐり国からの財政支援が大きくなりますが、地区のこの先の不安の解消にはまだまだ至っていません。