everyでは国民スポーツ大会=国スポに挑む選手たちの特集をお送りしています。先月26日の射撃に続き、第2弾は卓球です。予選の東北大会で5戦全勝と圧倒的な強さで優勝し、国スポ出場を決めたのが少年女子です。快進撃を支えたのは秋田市の令和高校に美郷町から通う2人の1年生。強さの秘密を廣田裕司アナウンサーが取材しました。
令和高校1年、小松愛珠。サウスポーのパワフルなプレーに、隙を見せないポーカーフェイス。
同じく令和高校1年、髙橋沙和。予測不能な軌道で相手を惑わす「ブレ球マスター」
2人は1年生ながら秋田県少年女子チームの主力として国民スポーツ大会=国スポ・出場権獲得の大きな原動力となりました
8月の東北総合スポーツ大会。角館高校3年の髙橋桃愛と秋田高校2年の植田莉聖、そして、小松・髙橋の4人で結成された秋田県チーム。
団体戦はシングルスのみの最大5試合で争われます。秋田は初戦で全国大会3位の高校の選手たちで構成される福島に勝利すると強豪・青森にも勝つなど5戦全勝。記録が残る平成以降では初めて優勝で国スポ出場を決めました。
中でも小松はシングルス8試合に出場し、負けなし。個人としても全勝で締めくくりました。
令和高校のアスリートコースに通う小松さんと髙橋さん。いつも卓球部の仲間と昼食をとっています。
佐藤来未さんへQ「沙和さんてどんなひと?」
「ナルシストですww。わたしかわいいが口癖です」
佐藤風花さんへQ「小松さんてどんなキャラクターですか?」
「たまに謎の行動します。謎の行動します」
髙橋沙和さん「あんま喋らないよね?」
小松愛珠さん「うん。なんか普通に……無…www」
ともに出身は美郷町。県南卓球道場というクラブチームで小学生のころから切磋琢磨し、中学に入ると揃って県内トップレベルの成績を残してきました。
県外の強豪校からの誘いもあった中で、地元秋田で強くなりたいと強化に力を入れ始めた令和高校を選んだ2人。
寮には入らず、現在も毎日美郷町から通っています。
高校生になり秋田県を背負って挑む初めての国スポです。
髙橋の持ち味は不規則に軌道が変わるバックハンド。同じ打ち方で同じ場所を狙っても違う回転がかかります。時には縦回転がかかり野球のフォークのようにボールが落ちることも。
その秘密の1つがラバーにありました。
「ぶつぶつしてます」
平らなソフトラバーに比べて扱うのが難しいと言われている通称「粒高」。高さのある粒々が相手ボールの勢いや回転を吸収。当たり方によって毎回違う回転が生まれるため相手も戸惑うんです。
さらに、打ち方にもこだわりが。多くの選手はボールをこするように腕を振り切りますが、髙橋はラケットを押し出すように打ち返します。ソフトラバーのラケットで振り切るとボールは外にスライスしていくのに対し、髙橋の場合、ラケットのラバーと打ち方の相乗効果で予測不可能か軌道を生み出します。
本人も「どこに飛ぶかわからない」という、このブレ球を操り、全国の強豪に挑みます。
髙橋沙和さん
「初めての国体(国スポ)でこんな大きい舞台にいけると思ってなかったので緊張するんですけど、チームとして1勝でも多く勝てるように今までやってきたことをすべてだしてがんばりたい」
一方、中学で全国大会ベスト8の経験を持つ小松。小松の持ち味は…パワフルなバックハンド。手首の柔らかさを生かして強くはじき返す攻めの卓球です。
そんな小松が、いま力を入れているのが、、、フォアハンドです。
佐々木武尊監督
「全国でこのあと活躍していくような選手だとおもうので、そうなってくると今までの卓球でも活躍してたとはおもうんですけど、もう1個上のフェーズ(段階)にいくとなれば、やっぱりフォアが必要だと思うので」
女子卓球部の佐々木監督が目指すのは卓球における「女子の男子化」
男子選手のように強く、速いフォアハンドを打ち、主導権を握ることが全国レベルを勝ち抜く鍵になるとみています。
小松愛珠さん
「県外に出たら強い選手ばかりなので最初から向かっていく気持ちで秋田県のためにがんばりたい」
若い力が躍動を目指す国民スポーツ大会。卓球・少年女子は6日土曜日に初戦を迎えます。