全国大会の出場権をかけた高校ラグビー県予選が、5日開幕します。
今年創部100年で、県内で最も長い歴史を持つ秋田高校ラグビー部は、節目の年に専属の部員が15人そろいませんでした。
バレーボール部から2人の助っ人を迎え入れて、単独チームで出場します。
今年、創部から100年の節目を迎えた、秋田高校ラグビー部。
専属の部員はいま、1年生から3年生までの13人。
単独チームとして試合に出場できる15人には届いていません。
人数がそろわず、フィールドを広く使った練習ができない中、佐藤栄幸監督は、これまで個々の基本的なプレーを中心に動きを確認してきました。
佐藤監督
「接点頑張らないと、生命線だから、サポート、キャリア、タックル、このベーシックのところをもっと頑張る」
その教えに選手たちも応えます。
チームは節目の年の大会に15人で出場できることを信じ、基礎練習に地道に取り組んできました。
県内で最も長い歴史を持つラグビー部は、直近で2006年に県予選で優勝するなど、過去6回の花園出場を果たしました。
しかし、近年は優勝から遠ざっています。
少子化や競技人口の減少の影響も受けて、今年6月の全県高校総体は15人のメンバーを確保できず、7人制のオープン参加のみにとどまりました。
県予選開幕10日前の先週水曜日。
チームには2人の新たな選手の姿が。
バレーボール部の、2年生・鎌田千裕選手と、1年生の諸永遥馬選手です。
2人は、創部100年の年に単独で出場したいというラグビー部の願いに応えようとチームに加わり、8月以降、バレーとラグビーの練習をどちらも行ってきました。
ただ、動きや、ルール、専門用語などがまったく異なるラグビーは分からないことだらけです。
佐藤栄幸 監督
「あっちオープン『広い方』はオープンだ。お前いつもブラインド側の狭い方のここに立っててけれ。アタックの時」
鎌田千裕 選手
「まぁなんとなく分かりました」
バレーと異なり、攻める時も守る時もずっと走り続けながら、全体で連携した動きが求められるラグビー。
2か月でルールや動きを身につけるのは簡単ではありません。
諸永遥馬 選手
「いやぁ難しいですね。オフサイドとか、ただ自分何にもしていないだけなのに勝手に相手の有利な状況になっていたりしているので、助っ人だからといって油断できないなという感じですね」
15人そろって練習できる喜びを噛みしめながらグラウンドを駆け回る選手たち。
助っ人の2人も仲間に支えられながら、チームの輪に加わっています。
伝統ある秋田高校ラグビー部の部員とともに。
5日、15人がそろいのジャージを着て単独チームとしてフィールドに立ちます。
ーどうですか15人そろっての練習してみて?
3年 髙村琉晟 主将
「そうですね。人数そろってるだけで楽しさが倍増している気がします。だんだんこうして花園予選まで期限が近くなってきて、実感というのも着々と沸いてきているので、自分たちの最高のプレーを出来たらなというふうに 思っています」
高校ラグビー県予選の開会式は、秋田市のASPスタジアムで午前11時半からです。
そのあと1回戦2試合が行われます。
第1試合では、大館桂桜・大館鳳鳴・秋田高専の合同チームと秋田中央が顔を合わせ、第2試合は、助っ人を迎え入れて単独チームとして出場する秋田が男鹿工業に挑みます。