県が発注した委託業務を巡る贈収賄事件で逮捕・起訴された県職員の男と、男鹿市の林業会社の元社長の裁判が始まりました。2人はいずれも「間違いありません」と起訴内容を認めました。
収賄の罪で起訴されているのは県職員の三浦学被告49歳。贈賄の罪で起訴されているのは男鹿市にある林業会社「目黒林業」の元社長、目黒幹雄被告46歳です。
起訴状などによりますと2人は、県秋田地域振興局が発注した道路などの維持管理業務を巡り、受注した共同企業体の下請け業者として三浦被告が目黒林業を斡旋し、その見返りとして現金150万円をやり取りした罪に問われています。
24日午前に目黒被告、午後に三浦被告の初公判がそれぞれ開かれました。
2人はいずれも「間違いありません」と起訴内容を認めました。
目黒被告の裁判で検察側は、2人で飲食する際の費用をすべて目黒被告が支払っていて三浦被告は恩義を感じて目黒林業を再委託先として斡旋するようになったと指摘。
また、目黒被告がその謝礼と今後も斡旋してもらえるように現金を渡していたものの、次第に三浦被告の方から金を求めるようになっていったと述べました。
目黒被告は被告人質問で「これまで10回ほどにわたり現金およそ530万円を渡した」「工事を多く請け負いたいという気持ちから渡してしまった。深く反省している」などと述べました。
検察側は「公務員の職務の公正に対する信頼を失墜させる悪質な犯行」「贈った金額も相当高額」などとして目黒被告に対し懲役1年6か月を求刑しました。
一方、弁護側は「目黒被告は真摯に反省していて、更生の余地がある」として執行猶予付きの判決を求めました。
目黒被告の判決は来月21日に言い渡される予定です。
一方三浦被告の裁判は来月19日に証拠調べなどが行われます。