サッカー明治安田J2・ブラウブリッツ秋田は、新たなスタジアムの建設に関わる県と秋田市と、今後の方向性について改めて話し合いを行い、できるだけ早い建設開始に向け、議論を急ぐ方針を確認しました。
3者の話し合いは非公開で続けられてきましたが、公にされなかった議論の一部が、情報公開請求で開示された資料で明らかになりました。
そこに記されていたのは、クラブ側が、様々な提案を続け、建設への理解を求めようとしていた動きでした。
先月から本格的に稼働を始めた、ブラウブリッツ秋田の新たな練習拠点が、潟上市にあるクラブハウス。
クラブが、県や秋田市を招いて去年4月から定期的に開いている、新スタジアムをめぐる協議が、ここで開かれるのは初めてです。
ブラウブリッツ秋田 岩瀬浩介 社長
「これまでの様々な議論というものをいかしながら、ここから皆さんとともに、しっかりと相談しながら、スピードアップをしてですね、実現にこぎつければなと」
このクラブハウスは、一般の県民も利用できる、開かれた施設です。
これから新たに建設しようとするスタジアムも、県民に広く利用してもらう、公共性の高い施設にする計画ですが、議論の内容がオープンにされることはなく、29日も、冒頭を除き、非公開で話し合いが行われました。
29日は、約40分間、3者が話し合い、建設に向けた議論を急ぐ方針を確認しました。
去年以降、具体的な話し合いの様子が公開されたことがないこの協議は、秋田市への情報公開請求で内容の一部が明らかになりました。
資料によると、議論の中で、施設の公共性をどう確保するか、特にクラブ側から様々な提案が出されていました。
「ブラウブリッツ秋田で募金を行うと課税対象になるため、後援会に要請した」
「地域にクラブが必要で、そのためには新スタジアムが必要ということを訴えていく」
今年6月に行われた会合では、クラブの後援会が主体となって、建設に向けた募金を行う計画も示されていました。
クラブ側はそのねらいを、建設への機運醸成をはかるためと説明しています。
新たなスタジアムの建設は、八橋地区で進めることが確実となっています。
今後は、建設にどの程度の公費があてられるのかが焦点となり、公共性が高い施設であることや、県民から建設に理解を得ることが不可欠です。
29日の会合のあと、報道機関の取材に応じた岩瀬社長は、自分なりの理想のスタジアムのアイデアを、来月、披露すると明らかにしました。
ブラウブリッツ秋田 岩瀬浩介 社長
「まだあれなのかな?スタジアムのシンポジウムっていうのは、リリースは…しても大丈夫?実は私、今月の初め、初旬から8日間くらいにわたって、アメリカ、北米のメジャーリーグ、サッカー含めたスタジアムの視察の方に、Jリーグの関係者の皆様と、関連する有識者であったり、建設コンサル、設計コンサル、ゼネコンさんと行ってまいりました」
ー秋田にいかせそうなアイディアは?
「はい、もちろん、あります」
ーどんな?
「ぜひシンポジウムに来ていただければと…いまはちょっとあれなんで、はい」
岩瀬社長は、秋田市内でシンポジウムを開き、詳しく説明する考えですが、アイデアの柱として挙げたのは、次のような言葉でした。
岩瀬社長
「日本語で言うと、福祉という言葉があると思います。福祉ってその地域の方々が豊かに暮らせる社会という部分においては、スタジアムであったりスポーツ施設は必要不可欠と改めて感じましたので、その辺も含めてご報告できればなというふうに思います」
新たなスタジアムは、年内に建設場所が正式に決まり、年明け以降は、建設を始める時期に関する議論が進められる見通しです。