秋田市の中学校で県立博物館の職員による出前授業が行われました。学んだのは、去年の大雨で氾濫した地域を流れる川についてです。その歴史について知識を深め自然の怖さだけでなく魅力も実感しました。
県立博物館の職員による特別授業が行われたのは秋田市の岩見三内中学校です。
去年7月の大雨で学校のすぐ近くを流れる岩見川が氾濫し、校舎が床上浸水するなどの被害を受けました。岩見三内中学校は大雨災害を教育の機会と捉えて、自然に関する様々な学習を行っています。
県立博物館 築地洋さん
「良くないことだけじゃなくて、自然の力って人間にとって、とってもいいことがたくさんですからね。ということできょうは私たちの生活する岩見三内で見つけた自然の力にまつわるエピソードを2つ取り上げて学習します」
岩見川へ向かった生徒たち。
きょうの学習の狙いは、川の怖さに目を向けるだけでなく魅力も実感してもらうことです。この場所では過去にある大きな発見がありました。
県立博物館 渡辺均さん
「東京大学の学生さん。1988年みんなが生まれる前ですが7、8人のグループでここの地質調査に来ていました」
いまから36年前の夏、地質調査に訪れていた学生が岩見川の川床から化石の一部が出ているのを発見。岩見三内中学校の理科の教諭に報告して発掘したところ、約500万年前のセミクジラのろっ骨だとわかりました。
当時、テレビや新聞で大きく取り上げられた化石の発掘。県立博物館の職員は、「身近な場所での発見が大きな研究につながるかもしれないので、まず地域の自然に興味を持ってほしい」と伝えました。
生徒たちは去年の水害からの復旧工事も見学し、岩見川のこれからについても考えました。
2年生女子
「私も改めて岩見三内の豊かな自然の良さがあるということを知れて、とてもいい経験になったと思います」
3年生男子
「去年の水害の被害を復興するために、いろんな人が頑張って工事してるんだなというのがわかりました」
1年生男子
「自然は恐ろしいこともあるんですけど、地層だったり誇れることをたくさん知れたので、今後も自信を持って過ごしていきたいなと思いました。」
岩見三内中学校は、今後も地域ならではの学習を行い、生徒たちの自然に対する理解を深めていくことにしています。