法律の改正で生産者の減少が懸念される秋田名産の漬物・いぶりがっこ。担い手の確保につなげようと、横手市は今年度、「よこて農業創生大学校」にいぶりがっこ作りを専門に学ぶことができるコースを新たに設けました。研修生たちがダイコンをいぶす作業を15日初めて行いました。
地域の基幹産業である農業の担い手を育成しようと横手市が運営している「よこて農業創生大学校」。今年度、いぶりがっこ作りを専門に学ぶことができるコースが新たに設けられました。原料となるダイコンの栽培から漬け込み、販売まで一貫して学ぶことができます。
きょうはいぶりがっこの出来栄えを競うコンクールで最高賞に輝いたこともある地元の農家、高橋一郎さんの指導のもとダイコンをいぶす作業を初めて行いました。
一郎さん
「基本的には下の方に太いやつやって、上の方に行くにしたがって細くなるような感じでやれば均一に乾燥すると」
食品衛生法の改正により、ことし6月からはいぶりがっこを含む漬物を製造販売する場合は保健所の許可が必要となりました。
しかし、許可を得るために必要な施設の改修費用が大きな壁となり、販売用のいぶりがっこ作りをあきらめる農家も出るなど、生産者の減少が懸念されています。
横手市は伝統の技を受け継ぐ場を設け、生産者の確保につなげたい考えです。
「部屋全体をまんべなくやるためには、最初あそこさ置いたでしょ。2時間終わったら今度こっちの方さ(火鉢を)そういうサイクルで。」
「あー、火鉢を回すわけだ」
いぶりがっこコース1期生村岡亮 さん
「横手市とか秋田県でいますごいがんばっているので、それの助けというか大きいコミュニティーの中に自分も一助として参加していけたらなって思います」
高橋一郎さん
「全体的に高齢化で人も少なくなって、若い人がいなくなれば自然と文化がなくなっちゃうというのが一番残念なことだから、失敗もすると思うんだけどもそういうのは気にしないで取り組んでもらえればいいかなと思うな」
世代を超えて受け継がれる地域の伝統。
ダイコンは3日間いぶしたあと取り出し来週、漬け込む作業が行われます。
伝統の技と味を守る取り組みはこれからも続きます。