県内にある製造事業者のうち約2割と最も多い、食品関係の事業者についてです。
規模の小さい事業者が大半で、出荷額は全国44位にとどまっています。
外部への委託製造が主体のため、生み出される付加価値額も東北で最下位となっています。
こうした課題を克服するため、県は、大手自動車メーカー、トヨタが持つノウハウを活用し、県内企業の規模拡大を支援する取り組みを行っています。
22日は、大潟村でパックごはん製造を手掛ける大潟村の会社の成果が発表されました。
県は、2014年から県内の食品製造事業者に対し、生産性や効率を上げるための改善活動を支援しています。
指導にあたるのは、トヨタ自動車東日本の社員です。
トヨタが生み出したのが、作業効率や安全性の向上を目指す活動「カイゼン」で、海外でも高い認知度を誇ります。
その基礎となるのが、整理・整頓・清掃・清潔・躾の5つのSで、これらを徹底することで職場環境が劇的に改善され、生産性が向上するといいます。
県は、アドバイスを行うスタッフの旅費を負担するなどして、これまで県内22の食品製造事業者を支援してきました。
22日は、支援を受けた事業者の1つで、大潟村でパックごはんを製造する会社の役員が講演し「製造ラインが止まるトラブルが解消し効果があった」
「来年新たに稼働する工場でもノウハウを活かしていきたい」と述べました。
あきた企業活性化センター 経徳敏明さん
「改善を含めて生産性を上げる」
「無理や無駄は省かれるように、そして人手も少なくなっておりますので、効率良く生産できるようにというところを高めてもらって、どんどん事業者の収益を上げていただく」
人手不足や原材料費の高騰など、製造事業者を取り巻く環境が厳しさを増す中、県は意欲ある事業者を後押しして、強固な経営基盤の構築と、地域経済の活性化にもつなげたい考えです。