この時期、十分な注意が必要な、感染症についての話題です。
いま、全国だけでなく県内でも感染が広がり始めているのが「マイコプラズマ肺炎」です。
咳や発熱の症状が出て、中学生以下の子どもが感染しやすいのが特徴です。
このマイコプラズマ肺炎に加え、県内でも流行期に入っている「インフルエンザ」。
そして、感染者が相次いでいる「新型コロナウイルス」。
この冬は、この3つの感染症が同時に流行する「トリプルデミック」の発生が懸念されています。
複数の感染症に同時に罹れば、重症化のリスクも高まります。
医療の現場を取材しました。
寒さが厳しさを増し、空気も乾燥するこの季節。
秋田市保戸野にある、やすおか小児科医院では、先月上旬から咳の症状を訴える患者が増えていると言います。
「重たい痰絡みの咳が本当にひどくて」
「いつぐらいから?」
「2週間以上前だと思います」
咳の症状を訴える患者は、1日に30人以上。
これまでは、喘息や風邪によるものが大半でしたが、いま、“ある感染症”が原因の患者が増えているといいます。
それが、マイコプラズマ肺炎です。
細菌性の呼吸器感染症で、中学生以下の子どもがかかりやすく、咳や発熱、全身のだるさが主な症状です。
重症化するリスクもあり、県内でも徐々に感染者が増えています。
8月中旬には、県内の感染者数は、1医療機関あたり0.13人だったマイコプラズマ肺炎。
11月中旬には、2.25人まで増加しています。
インフルエンザと新型コロナウイルスも感染者数が増えていて、3つの感染症が同時に流行する「トリプルデミック」の発生が懸念されています。
「なるべくアルコール消毒をするように心がけてはいるんですけど、やっぱりどうしても集団なので、ちょっとしたことでうつったりとかしてきちゃうんで」
「最近ちょっと休み増えてきてるらしい」
「そう、休みも増えてるみたいで、そういうところはちょっと心配ではあります」
「咳の薬がいまなくなってきてるっていうのを聞くので、咳が(子ども)2人ともひどくって」
ー自宅で気を付けている感染対策は?
「なんでしょう、とにかく加湿をしたりとかですかね」
トリプルデミックについて、安岡健二医師は「複数の感染症に同時に罹ることで重症化のリスクが高まる」と指摘します。
やすおか小児科医院 安岡健二 医師
「やはり持病を持っている方とかですね、免疫の下がっているような方ですと、感染する、同時感染することによって、いわゆる臓器不全ですね、いろんな内臓に関して病気が出てしまう可能性がありますので、合併症に気をつけなければいけないというふうなことが言えると思います」
これからの時期は、感染を広げないためにも、基本的な感染対策が大切です。
安岡 医師
「咳が出る方はマスクをした方がいいと思いますし、それから手洗い、しっかりしていただく。それからやはり、体調が悪くて風邪が疑われる方は無理をせずに自宅で休まれていただいた方が集団感染が防げるのかなというふうに思います」
インフルエンザと新型コロナウイルスに対しては、ワクチン接種で重症化のリスクを減らすこともできます。
安岡医師は、ワクチン接種や基本的な感染対策のほか、定期的な部屋の換気も行うよう呼びかけています。