9月に行われたフェンシングの全日本選手権で優勝した、秋田市の安部慶輝選手が、先日、秋田放送のラジオ番組で、日本一に輝いた喜びを報告しました。
今週末行われるワールドカップや、4年後への意気込みも力強く語りました。
秋田市在住の安部慶輝選手は、現在、フェンシング男子フルーレの日本ランキングで3位で、国内トップクラスの実力者です。
9月に行われた全日本選手権で、初めて優勝を果たした安部選手。
その報告のため、先日、秋田放送のラジオ番組に生出演しました。
ーずっと優勝はやっぱり自分の中でも狙っていたものだったんですか?
安部選手
「そうですね、はい。以前も何度か決勝の舞台までは立つことが出来たんですけども、なかなか優勝はできなかったんで、優勝できて良かったです」
安部選手の専門種目のフルーレは、先に仕掛けた選手に攻撃権があり、胴体と背中だけが得点の対象となります。
もともと攻撃が好きで、得意だった安部選手、最近は相手の攻撃を受けてからの反撃に重きを置いたことで、よりポイントが決まるようになりました。
安部選手は、準決勝で、日本ランキング1位の東京オリンピック代表の選手を、準々決勝と決勝では、パリ五輪団体で金メダルの2人を破り、初めて日本一の栄冠を手にしました。
優勝には、支えてくれる周りへの感謝の思いも込められていました。
安部選手
「自分のタイトルがというよりかはもう本当にいろいろ迷惑をかけてきたので、これまで親だったりとか会社の人たちにいろいろ経済的な支援もしてもらっている中で、なかなか結果を残せずに…だったんですけど、大きな全日本というタイトルで、今回、恩返ししたいっていうような思いで、その一心でしたね、本当に」
田村修アナウンサー
「優勝って決まった時はどんな気持ちでした?」
安部選手
「いや~、もう信じられなかったですね、本当になんか勝ってるんだけど、体が勝手にガッツポーズしてるんですけど、全然実感なくて。で、あとから、初めてなんですけど、うれしくて感動するみたいなことは。涙が止まんなかったですね」
安部選手は、これまで、アスリートの就職を支援する県の制度を使って、秋田市の緑ヶ丘病院に所属し、東京を拠点に活動してきました。
その契約が終わった今年の春からは、秋田市を拠点に練習をしています。
先日の全日本選手権でアドバイスを送っていたコーチは、秋田市役所に勤務する父・欣哉さん55歳です。
欣哉さんは、1992年のバルセロナオリンピックに出場。
巧みでアクロバティックな剣さばきで、日本代表を務めました。
安部さんは、元オリンピック選手の父の強力なバックアップも受けながら、二人三脚で、日本の頂点に辿り着きました。
田村アナ
「お父さんはちなみにどんな存在だなと思う?練習もするんですか?」
安部選手
「いや、もう本当に、レッスンって言って、コーチとして要は突かせてこうやるような反復練習で、実戦には入ってこないで…やっぱり歳なので」
田村アナ
「もう安部選手の方が強いですもんね。慶輝選手の方が強いですもんね」
安部選手
「そうですね。さすがにもう負けられないですね」
初めて日本一になった安部選手。
次は、今週末に群馬で行われるワールドカップで、世界の頂点を目指します。
田村アナ
「W杯の目標を聞かせてください」
安部選手
「はい、優勝することですね」
田村アナ
「当然その先にはなにかも見据えてるんですよね?何年後か先には」
安部選手
「あぁ」
田村アナ
「言わせてますか?」
安部選手
「はい、2028年のロサンゼルス五輪で金メダルをとることですね」