タマネギの産地化を目指し、AI・人工知能や、機械の自動化を活用した実証実験が、去年から県内で行われてきました。
3日、2年間の取り組みの成果が報告され、新たに開発されたシステムの可能性や、食料の安定生産について課題を話し合いました。
国内消費量の15パーセントを占める輸入品からの置き換えだけでなく、主要産地の端境期に集荷できるメリットがある、東北でのタマネギ栽培。
県内での産地化を目指し、23の機関が協力して、去年からAI・人工知能による選果の自動化や、無人トラクターの導入など実証実験をしてきました。
共同事業体の代表 涌井徹さん
「農業の現場で農家が辞めてしまう。すごい速度で辞めていきます」
「急いで今回進めたものをもっともっと現場に落とし込めるように急いでやってほしいなと思っています」
3日の会合は、この2年間の取り組みについて、その成果や課題を広く共有することを目的に開かれました。
このうち、遠隔で栽培に関するアドバイスを受ける営農支援について、NTT東日本の子会社・NTTアグリテクノロジーは、無料通信アプリ LINEの活用を構築しました。
生産者が作物の写真を送ると、AI・人工知能が、病害虫の診断・判定もできるこのシステム。
幅広い年代がすでに使っているLINEを活用することで、開発コストを抑えるメリットもあったということです。
実証実験に参加した みらい共創ファーム秋田 森田彩貴さん
「どんどん使っていくと、むしろ分からないことがあったらここに聞こうというふうに頭がなっていったので」
「ここに質問すると、先生側も圃場の情報を分かっていたりということがあるので、適切に回答を頂けるということもあって、すごく使いやすかった」
開発担当者は「来年の春から生産者が使いやすい価格帯で提供していきたい」と話しました。
涌井徹 代表
「まだ道半ばだけれども、ようやくひとつの可能性まで見えてきた」
「今度は次に向かってだから常に進化させていかなきゃ駄目だ」
今後について、共同事業体の代表を務める涌井徹さんは「タマネギといったひとつの作物ではなく、日本農業の再生そのものを目指す共同体を新年度に立ち上げたい」と話しています。