寒くなると増えるのが、お風呂で体調を崩し、おぼれるなどする入浴事故です。
秋田市では、過去5年で230人あまりが命を落としています。
大半が高齢者ですが、若い世代の死亡例も報告されています。
入浴中、体に起きる変化を検証しました。
日を追うごとに寒さが厳しさを増している県内。
「家に帰ったらお風呂でゆっくりで温まりたい」。
そう考えている人も多いのではないでしょうか?
待ちゆく人に自分の入浴スタイルについて聞きました。
「熱い方がやっぱりいいですね」
「慣れてくるとそれはやっぱり気持ちいいといいますか」
「サウナみたいな感じの熱さで、あがった時に涼しい感じで整う感じがいい」
熱いお湯を好む声がよく聞かれた一方、こんな人も。
「脱衣所も暖房を入れておいて、お風呂場も暖房入れておいて、お風呂は最初はぬるめで、途中から追い炊きをして徐々に温めるみたいな、そういう感じでやっています」
「ヒートショックとか、年も年なんで」
急激な温度変化が体に大きな負担をもたらすことを意味する、ヒートショック。
お風呂で体調を崩し、おぼれるなどする入浴事故の主な原因と考えられています。
秋田市で過去5年間に入浴事故で救急搬送されるなどした人は、844人。
60代以上が目立ちますが、10代から30代までも一定数いることが分かります。
救急搬送されるなどした人の3割近く、232人が命を落としています。
60代以上が大半ですが、10代から30代までの死者も出ています。
月ごとの発生件数を見てみると、1月から3月、それに12月と、冬場に多いことが分かります。
寒い場所にいた人が温かいお風呂に入ることで、血圧の急激な変化をもたらし、ヒートショックを起こすと考えられています。
入浴の前後で血圧はどう変化するのか、検証します。
室温20度ほど、裸では寒い浴室で計測すると、最高血圧は150オーバー。
自身も目を疑う数値に。
10分ほど湯船に浸かり、測ってみると、最高血圧は130に。
数値は20も下がっていました。
循環器内科の医師は、血圧の急激な変化は、意識障害や心筋梗塞などの重大なリスクにつながると指摘します。
森岳温泉病院 島田薫 医師
「失神であれば意識を失うことになりますし、心筋梗塞であれば胸が痛い、という症状、脳梗塞であればまひとか言葉が出にくいというような症状として現れるということがあります」
「湯船に入っていて失神を起こすと、それによる溺死、おぼれて死んでしまう溺水、溺死という結果につながりかねない可能性がありますし、湯船に入って急激に血圧が下がると、これは若い方でも失神を起こします」
入浴事故は、発見が遅れることで手遅れになるケースが大半です。
島田医師は、家族で一緒にお風呂に入ったり、時折声をかけるなどして、異変が起きていないか確認することを心がけるよう呼びかけています。
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島田医師によると、入浴事故を防ぐためには以下のことが大切だということです。
①脱衣所を温めること
②飲酒後や食事のあとすぐは入浴を控えること